難 民 チ ャ ン プ

漫画家うめのサイト。
『大東京トイボックス』とか『南国トムソーヤ』とか『スティーブズ』とか『きょくまん』とか描いてます。
東京トイボックスKindle版の140字じゃ書けない話 -3-『KDPの値付けの秘密 後編』
さて後編。


前回、100円か、250円か、どっち? なんて話を書きました。

でも、まー、正直わからんよねー、というのが結論だったりします。

(あ、トイボはね、もう少し巻数が長かったら、たぶん1巻は100円にしてたかも。巻数が多ければ、100円で継続購入率が下がっても、回収しやすいから)


日本では、本は値引きされず、定価のまま売られるのが普通。

まだまだ「本の値段を変える」というのは、日本の出版界では始まったばかりの試みです。

そう簡単には結論なんて出やしません。

(まあだからおもしろいんだけどね)


パッと思いつくだけでも、全巻100円にしたら/1巻100円、2巻200円、3巻300円とスライド制にしたら/2巻の方を安くしたら/いっそ数冊を1冊にまとめて売ったらとかとかとか、試せそうなことはまだまだあります。(誰か試したら教えて!)



とはいえ、値下げするというのは、まあ電書の鉄則と言っていいでしょう。


「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもですが、

あくまでポイントは「定価250円じゃない」という点。


質が同じなら、より安いものが欲しい、という心理は、誰しもよくわかると思います。

ただここでいう値下げは、

同じ250円なら、定価250円より、定価400円の150円オフのほうがお得に感じる、

という、たいくつなタイムセール心理の話ではありません。



そのキモは「告知のチャンスを増やす」ということ。


「もうすぐセールを終わらせて、元の値段に戻します」

「〇〇記念で、セールをします」

こういう形で本を紹介するタイミングを作ること。このこと自体が目的です。


電書とはいえ、本は本。

紙本と同じように、発売直後がもっとも売れて、だんだん売れ行きは下がっていきます。

事実、東京トイボックスも発売から2週間を過ぎると、

さすがにランキングがすこし下がってきました。

これを少しでも食い止めるために、必要なのが告知です。

(ランキングの上の方にいると、それ自体が宣伝になって、さらに買ってくれる人がいる)


これ実は、スマートフォンのアプリなんかだと、わりとポピュラーな宣伝方法だそうです。

中には、105円で採算が取れるものに、あえて210円の値段をつけて、

こまめなセールをするという方法をとっているアプリなんかもあるとか。


実際、ついさきほど「今夜0時で発売記念セール終わりだよー」と告知してところ、

またまとまった数買っていただきました。ランキングもちょっこしあがったりします。

(11位→6位)

注:人柱の方々の数字は入る前の順位です。その節はありがとでした!


 


もちろん黙っていても、いろいろなメディアが取り上げてくれる人気作なら、

放っておいてもいいのだけど、みんながみんなそういうわけじゃありません。

自分自身で告知できるチャンス、を持っておく、というのは、

セルフパブリッシングでは、すんごく大切なことです。

| 電子書籍 | 16:52 |
東京トイボックスKindle版の140字じゃ書けない話 -2-『KDPの値付けのヒミツ 前編』
発売10日目までの売上データが出ました!
なかなかいい数字です。 昨年10~12月3ヶ月間の『大東京トイボックス』1巻2巻の販売部数をたった10日でゆうに超えました。 
金額ベースでいうと、軽めの重版2回分くらい、といったとこでしょうか。 
KDPにかけた手間ひまを差し引いても、正直、悪くないペースです。 

おかげさまで、継続購読率も67%まで上昇。 
ベストセラーランキングでも、kindle>コミック>青年コミックで1位、2位です。 (2013/3/19 6:00現在) 
本当にありがとうございます。 

そこで好調につき、先週末で終わらせようと思ってた 
250円セールですが、もうちょっと引き続きやろうと思います。 
このあたりのフットワークが軽くできるのも、KDPのおもしろいところ。 
同人誌即売会とか、フリーマーケットに近い楽しさかなー。 
今日は、この250円という値段の考察をしたいと思います。


1巻目は値下げをするというのは、コミックスはじめ、
シリーズ物の売り方の鉄則になりつつあります。
1巻は安くするから、読んでねー。
続き気になるなら、2巻以降も買ってねー、という手法です。
 
前回、KDPで印税70%を受けるためには、いくつかの条件があると書きましたが、
そのひとつが、販売価格。 
250円以下にした途端、印税は35%になってしまいます。 
今回250円にしたいちばん大きな理由は、ここです。

もちろん35%でもいいから、100円にして、数をさばいた方がいい、という考え方もアリだと思います。 ちょっと計算してみましょう。 

250円で1,000冊売れた場合の売上は、100円だとどれくらいで出せるのか、
という場合を仮定してみます ファイルサイズは、40MBとしましょうか。 
(70%の場合は1MBあたり1円が通信料として、売上から差し引かれます。  
 35%の場合は、通信料はAmzonの負担です) 

(定価-通信費)x部数x印税率=売上 
(250-40)x1,000x70%=147,000円 

100円の場合、印税は35円になるので、 

 147,000÷35=4,200冊 

ということになります。 
うーん、これはちょっと難しいような気がします。 
250円を100円に下げると、4倍以上の人が購入をしてくれるのか、否か。 
感覚的には、無料にでもしないかぎり、4倍までは伸びないと思います。

しかし、ここに2巻の売上を合計してみると、少し結果が変わってきます。 
まあ4倍は難しくても、100円効果で、なんとか倍の2,000冊は売れたとしてみましょう。 
継続購入率は、67%とします。 

【1巻100円+2巻400円の場合】 
1巻 100x2,000x35%=70,000 
2巻 (400-40)x(2,000x67%)x70%=337,680 
計 407,680 

 【1巻250円+2巻400円の場合】 
1巻 (250-40)x1,000x70%=147,000 
2巻 (400-40)x(1,000x67%)x70%=168,840 
計 315,840 

ちゃんと計算してみたら、

『1巻250円、2巻400円の場合、1巻を250円から100円に値下げした方がいいのは
値下げ効果で、155%以上の伸びがある、と見込めた場合』

でした。

あ、あれー、値付け、間違ってた…orz? 
1.5倍くらいなら、行きそうな気もしないでもないし……。
い、今からでも変えた方がいいのかな、でも、今から変えると250円で買ってくれた人に悪いしな…ブツブツ 

といったところで、次回へ続きます。
次回は『KDPの値付けの秘密 後編』です。

 
| 電子書籍 | 06:44 |
東京トイボックスKindle版の140字じゃ書けない話 -1-『KDPは数字のおもしろさ』

『東京トイボックス(全2巻)』kindle版発売して1週間が経ちました。

新着ランキングでは、kindle>コミック>青年コミックで、1位、2位のワンツーフィニッシュ。ベストセラーランキングでも、1巻3位、2巻5位とおかげさまで好調です。1巻なんて、紙本もあわせた総合ランキングでも、うきゃー、うっかり64位です。(2013315日現在) 

もう7年も前の本なのに、ありがたいやら、お恥ずかしいやら。



今回のKindle版は、通常の


著者→出版社→(電書取次→)電子書店[Amazon]


というルートではなく、


著者→電子書店[Amazon]


という直販ルートを使っています。

これは、KindleDirectPublishing、通称KDPと呼ばれる方法です。

もしかしたら、昔、こんなことをやったのを覚えている方もいるかも。



日本初? kindleで日本語漫画を出してみよう企画


そう、あのトライアルの2013年版が、今回の『東京トイボックス』kindle版です。


KDPの特徴は、高い印税率。

通常、電子書籍の著者印税は、15%が一般的。

でもKDPなら、標準で35%。

さらにいくつかの条件をクリアすると、70%になります。


しかしKDPの魅力はそれだけじゃありません。

それは、数字を把握できること。

価格を決めたり、何冊売れたのか、ほぼリアルタイムで、把握できたりします。

するとどうなるか。

もちろん売れた売れない、で一喜一憂するのも楽しいんだけれど、

もうちょっと分析っぽいこともできるんです。



例えば、継続購読率。

1巻を読んだ人のうち、どれくらいの人が2巻も読んでくれたのか。

これは


2巻部数÷1巻部数


ででます。

(もちろん2巻だけ購入した人というのも、可能性としては考えられるけど、まあ誤差の範囲でしょう)


よく1巻だけ100円セールとかみかけますが、あれって、ともすると1巻だけ買って、満足しちゃいません?(みそさんの『限界集落(ギリギリ)温泉』は全部買ったよ!)


一説によると2巻以降への継続購入率は、よくて1〜20%台。

ひどいと一桁なんて話も聞きます。

『東京トイボックスkindle版』も発売直後は、20%ちょっとでした。

それがジリジリとあがって、いまでは63%を超えたところ。もうちょっとはあがりそうな勢いです。


この動きは、内容紹介の冒頭に「全2巻」と、書いた直後から顕著になりました。

全2巻、という買いやすさのアピールが功を奏したと自分では分析してます。

こういった工夫が手軽にできるのが、KDPのいちばんのおもしろさだと思います。

(なんにせよ著者としては、最後まで読んでいただけることは、何よりうれしいです)


こんな感じで、しばらくのあいだ、KDPトライアル関連の情報をまめに書いていこうかと思っています。よろしくお願いします。


 
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