2010.01.26 Tuesday
日本初? kindleで日本語漫画を出してみよう企画
話題の電子ブックリーダーkindleでの出版が、米国以外にも対応しました。今まで手続きに必要だった米国内銀行口座が不要になったとのこと。とはいえ、2バイトの日本語に対応したわけではなく、アルファベット圏だけ。でもでも漫画だったら、文字も画像データに出来るし、いけるんじゃね? ということでやってみました。
『大東京トイボックス5巻発売記念! 日本初? kindleで日本語漫画を出してみよう企画』
今回、俎上にのせたのは、以前に描いた短編『青空ファインダーロック』(当時の記事)。日経エンタに載った読切漫画です。漫画誌に掲載されたものではないので、権利関係がかなりフリー。編集部にもOKをいただいて万全の体制。お友達でエンジニアのma2さんに手伝ってもらいながら、以下を参考にしつつ、作業を進めました。
・個人が印税35%の電子書籍を出版できる時代 - Amazon Kindleの衝撃
・Kindle出版顛末記
なお手続き自体は前述のサイトを参考にしていただくとして、ここでは、主に入稿のデータ形式を説明します。
元の原稿データは、Photoshop形式。グレースケール/600dpi/B4です。デジタル漫画としては、まあまあ標準的なスペックなんじゃないかと思います。(A4原寸で作業している人もいる)
amazonDTP(kindle形式のデータを作るためのアマゾンのオンラインサービス。ここでのDTPは、Desk Top Publishingの略ではなく、Digital Text Platform)では、html、word、PDFでの入稿を受け付けています。ブログの場合、htmlが楽そう。そうじゃない文字データの場合、wordが便利? ただ漫画はグラフィックデータだし、つーかword持ってないし。そんなわけで、まずはPhotoshopから、簡単につくれるPDFでトライ。
解像度は「最小ファイルサイズ」で出力。72dpiというウワサを聞いたので、WEB最適化オプションにチェック。これをアップロード。問題なく受け付けてくれます。サーバ側で変換して、しばらくするとプレビューが表示。ここまでで作業開始から20分。英語なのがやや煩わしいけれど、スムーズですばらしい。
ところが、ぎっちょんちょん、そうそううまくいかんもんだね。
プレビューを見たら、縦横が90度回転してて、しかも1/2ページずつしか表示されない。
もしかしてファイルサイズが大きすぎる?
kindleのディスプレイは600×800。よって今度はPhotoshop上で原稿サイズを600×800(実際には縦横比の関係で575×800)に縮小。そののちにPDF化→アップロード→プレビュー。
すると今度は、おおぅガッデム。まさかの文字化け。
そういえばPDFでアップロードする度に「PDFはあんまりおすすめしてないんだよねー」的なメッセージが出てました。というわけで、PDF以外での入稿に方針をチェンジ。Adobe Acrobatで、PDFファイルをhtmlで出力。しかし画像がかなり小さくリサイズされてしまい、アップロードすらできず。イチかバチかのword出力。やはり同様にうまくいかず。おー、漫画家のコンピュータは、出版社のスーパーハッカーが常時見張っているというウワサは真であったか。
というわけで、シンプルなhtmlを作る方針に変更。まずPhotoshopで、原稿を600×800に縮小して、tiffで保存。全ページを1つのフォルダにまとめます。どういう画像圧縮をするのかよくわからなかったので、あえて2階調化はしてません。次にテキストエディタで、こんな感じにシンプルなhtmlを手打ち。
------------------------
<html>
<head>
<title>AOZORA Finder Rock</title>
</head>
<body>
<img src="aozora_tiff/aozora_p01.tif">
<img src="aozora_tiff/aozora_p02.tif">
<img src="aozora_tiff/aozora_p03.tif">
(中略)
<img src="aozora_tiff/aozora_p26.tif">
</body>
</html>
------------------------
※固有名詞部分等、ご自由に改変してお使いください。
そして、このhtmlファイルとtiffデータをzip形式でひとつのファイルに圧縮。MacOSなら、右クリック→圧縮でOK。日本語は不可なので、ファイル名、圧縮したファイル名、フォルダ名、すべてアルファベットで。そしてアップロード。しばしののちにプレビュー。
今 度 は 成 功 。
細かいところを言うと、ページが左寄りだったり、謎の余白ページがついていたりしたのだけれど、とりあえずアップする、が目標だったので、このまま、まずはゴー。ほんとはもうハラペコだったからというのは内緒。最後に「publish」というボタンをポチ。「審査するから、ちょっと待っててくれろ」なメッセージが出て、おしまい。
ここまでの所要時間は、amazon.comのアカウント取得〜試行錯誤まで含めて約2時間ちょっと。今もう一度やれといわれたら、20分以内にでできると思います。
最後にとりあえず思いついている課題を列挙。
・画質の向上
まだいけそう。あらかじめ網点化する手も。でもそうなるとkindle2向けとkindleDX向けと2バージョン必要?
・フォーマット
見開きどうしよう。ハードの制約で、既存の媒体で出来ている表現が出来なくなっちゃうのは、エレガントじゃない気がします。もうちょっと解像度が上って、基本、横持ち/見開き表示というのが、解決?
・翻訳
どうせなら、日本語ユーザ以外にも読んでほしい。対訳表を巻末につけるとか? 誰か訳してください。
・価格
26ページで$2.99は高すぎ。物珍しさ以外での購入はほんとにオススメしません。日本で購入すると、3G通信費が、さらに$2追加されるし。漫画の場合、画像なので重くなるのは宿命。どうするかー。
・権利関係
これについては改めて書きます。現在の出版契約書にも電子出版の項目はありますが、この手の電子ブックリーダーの普及が想定されていない時代に書かれたものなので時代遅れは明らか。なんとかしないとね。現在、自分が関わってる出版社の法務とはあれこれ話し合ってます。
・kindle
持ってない! これがいちばんの問題! 今はkindle for iPhoneで見てます。買ってもいいのだけれど、買ってもいいのだけれど、appleの新製品のほうに物欲が……。
他にもありそうだけれど、とりあえず以上。ある程度、改善したセカンドエディションを近々アップします。感想、課題、改善策等ありましたら、コメント欄かtwitter(twitterのほう推奨)でお願いします。ハッシュタグは#kindlejpを使ってます。なお以上のhtmlはどんどんコピペして持ってちゃってください。固有名詞部分だけ変えれば、そのまま使えるはずです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という記事を書いてたら、amazonの審査を無事通過! 思ったより早い! そんなわけで、今日から、kindle(kindle for iPhone、kindle for PC含む)で買えるようになりました。コチラから。

グラビア写真のレタッチャ(修正屋さん)のお話。本人的には気に入ってる読切。回想を多用して、過去と現在をパラレルに描いてます。
『大東京トイボックス5巻発売記念! 日本初? kindleで日本語漫画を出してみよう企画』
今回、俎上にのせたのは、以前に描いた短編『青空ファインダーロック』(当時の記事)。日経エンタに載った読切漫画です。漫画誌に掲載されたものではないので、権利関係がかなりフリー。編集部にもOKをいただいて万全の体制。お友達でエンジニアのma2さんに手伝ってもらいながら、以下を参考にしつつ、作業を進めました。
・個人が印税35%の電子書籍を出版できる時代 - Amazon Kindleの衝撃
・Kindle出版顛末記
なお手続き自体は前述のサイトを参考にしていただくとして、ここでは、主に入稿のデータ形式を説明します。
元の原稿データは、Photoshop形式。グレースケール/600dpi/B4です。デジタル漫画としては、まあまあ標準的なスペックなんじゃないかと思います。(A4原寸で作業している人もいる)
amazonDTP(kindle形式のデータを作るためのアマゾンのオンラインサービス。ここでのDTPは、Desk Top Publishingの略ではなく、Digital Text Platform)では、html、word、PDFでの入稿を受け付けています。ブログの場合、htmlが楽そう。そうじゃない文字データの場合、wordが便利? ただ漫画はグラフィックデータだし、つーかword持ってないし。そんなわけで、まずはPhotoshopから、簡単につくれるPDFでトライ。
解像度は「最小ファイルサイズ」で出力。72dpiというウワサを聞いたので、WEB最適化オプションにチェック。これをアップロード。問題なく受け付けてくれます。サーバ側で変換して、しばらくするとプレビューが表示。ここまでで作業開始から20分。英語なのがやや煩わしいけれど、スムーズですばらしい。
ところが、ぎっちょんちょん、そうそううまくいかんもんだね。
プレビューを見たら、縦横が90度回転してて、しかも1/2ページずつしか表示されない。
もしかしてファイルサイズが大きすぎる?
kindleのディスプレイは600×800。よって今度はPhotoshop上で原稿サイズを600×800(実際には縦横比の関係で575×800)に縮小。そののちにPDF化→アップロード→プレビュー。
すると今度は、おおぅガッデム。まさかの文字化け。
そういえばPDFでアップロードする度に「PDFはあんまりおすすめしてないんだよねー」的なメッセージが出てました。というわけで、PDF以外での入稿に方針をチェンジ。Adobe Acrobatで、PDFファイルをhtmlで出力。しかし画像がかなり小さくリサイズされてしまい、アップロードすらできず。イチかバチかのword出力。やはり同様にうまくいかず。おー、漫画家のコンピュータは、出版社のスーパーハッカーが常時見張っているというウワサは真であったか。
というわけで、シンプルなhtmlを作る方針に変更。まずPhotoshopで、原稿を600×800に縮小して、tiffで保存。全ページを1つのフォルダにまとめます。どういう画像圧縮をするのかよくわからなかったので、あえて2階調化はしてません。次にテキストエディタで、こんな感じにシンプルなhtmlを手打ち。
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<html>
<head>
<title>AOZORA Finder Rock</title>
</head>
<body>
<img src="aozora_tiff/aozora_p01.tif">
<img src="aozora_tiff/aozora_p02.tif">
<img src="aozora_tiff/aozora_p03.tif">
(中略)
<img src="aozora_tiff/aozora_p26.tif">
</body>
</html>
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※固有名詞部分等、ご自由に改変してお使いください。
そして、このhtmlファイルとtiffデータをzip形式でひとつのファイルに圧縮。MacOSなら、右クリック→圧縮でOK。日本語は不可なので、ファイル名、圧縮したファイル名、フォルダ名、すべてアルファベットで。そしてアップロード。しばしののちにプレビュー。
今 度 は 成 功 。
細かいところを言うと、ページが左寄りだったり、謎の余白ページがついていたりしたのだけれど、とりあえずアップする、が目標だったので、このまま、まずはゴー。ほんとはもうハラペコだったからというのは内緒。最後に「publish」というボタンをポチ。「審査するから、ちょっと待っててくれろ」なメッセージが出て、おしまい。
ここまでの所要時間は、amazon.comのアカウント取得〜試行錯誤まで含めて約2時間ちょっと。今もう一度やれといわれたら、20分以内にでできると思います。
最後にとりあえず思いついている課題を列挙。
・画質の向上
まだいけそう。あらかじめ網点化する手も。でもそうなるとkindle2向けとkindleDX向けと2バージョン必要?
・フォーマット
見開きどうしよう。ハードの制約で、既存の媒体で出来ている表現が出来なくなっちゃうのは、エレガントじゃない気がします。もうちょっと解像度が上って、基本、横持ち/見開き表示というのが、解決?
・翻訳
どうせなら、日本語ユーザ以外にも読んでほしい。対訳表を巻末につけるとか? 誰か訳してください。
・価格
26ページで$2.99は高すぎ。物珍しさ以外での購入はほんとにオススメしません。日本で購入すると、3G通信費が、さらに$2追加されるし。漫画の場合、画像なので重くなるのは宿命。どうするかー。
・権利関係
これについては改めて書きます。現在の出版契約書にも電子出版の項目はありますが、この手の電子ブックリーダーの普及が想定されていない時代に書かれたものなので時代遅れは明らか。なんとかしないとね。現在、自分が関わってる出版社の法務とはあれこれ話し合ってます。
・kindle
持ってない! これがいちばんの問題! 今はkindle for iPhoneで見てます。買ってもいいのだけれど、買ってもいいのだけれど、appleの新製品のほうに物欲が……。
他にもありそうだけれど、とりあえず以上。ある程度、改善したセカンドエディションを近々アップします。感想、課題、改善策等ありましたら、コメント欄かtwitter(twitterのほう推奨)でお願いします。ハッシュタグは#kindlejpを使ってます。なお以上のhtmlはどんどんコピペして持ってちゃってください。固有名詞部分だけ変えれば、そのまま使えるはずです。
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という記事を書いてたら、amazonの審査を無事通過! 思ったより早い! そんなわけで、今日から、kindle(kindle for iPhone、kindle for PC含む)で買えるようになりました。コチラから。

グラビア写真のレタッチャ(修正屋さん)のお話。本人的には気に入ってる読切。回想を多用して、過去と現在をパラレルに描いてます。
