前回、100円か、250円か、どっち? なんて話を書きました。
でも、まー、正直わからんよねー、というのが結論だったりします。
(あ、トイボはね、もう少し巻数が長かったら、たぶん1巻は100円にしてたかも。巻数が多ければ、100円で継続購入率が下がっても、回収しやすいから)
まだまだ「本の値段を変える」というのは、日本の出版界では始まったばかりの試みです。
そう簡単には結論なんて出やしません。
(まあだからおもしろいんだけどね)
パッと思いつくだけでも、全巻100円にしたら/1巻100円、2巻200円、3巻300円とスライド制にしたら/2巻の方を安くしたら/いっそ数冊を1冊にまとめて売ったらとかとかとか、試せそうなことはまだまだあります。(誰か試したら教えて!)
とはいえ、値下げするというのは、まあ電書の鉄則と言っていいでしょう。
「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもですが、
あくまでポイントは「定価250円じゃない」という点。
質が同じなら、より安いものが欲しい、という心理は、誰しもよくわかると思います。
ただここでいう値下げは、
同じ250円なら、定価250円より、定価400円の150円オフのほうがお得に感じる、
という、たいくつなタイムセール心理の話ではありません。
そのキモは「告知のチャンスを増やす」ということ。
「もうすぐセールを終わらせて、元の値段に戻します」
「〇〇記念で、セールをします」
こういう形で本を紹介するタイミングを作ること。このこと自体が目的です。
電書とはいえ、本は本。
紙本と同じように、発売直後がもっとも売れて、だんだん売れ行きは下がっていきます。
事実、東京トイボックスも発売から2週間を過ぎると、
さすがにランキングがすこし下がってきました。
これを少しでも食い止めるために、必要なのが告知です。
(ランキングの上の方にいると、それ自体が宣伝になって、さらに買ってくれる人がいる)
これ実は、スマートフォンのアプリなんかだと、わりとポピュラーな宣伝方法だそうです。
中には、105円で採算が取れるものに、あえて210円の値段をつけて、
こまめなセールをするという方法をとっているアプリなんかもあるとか。
実際、ついさきほど「今夜0時で発売記念セール終わりだよー」と告知してところ、
またまとまった数買っていただきました。ランキングもちょっこしあがったりします。
(11位→6位)
注:人柱の方々の数字は入る前の順位です。その節はありがとでした!
もちろん黙っていても、いろいろなメディアが取り上げてくれる人気作なら、
放っておいてもいいのだけど、みんながみんなそういうわけじゃありません。
自分自身で告知できるチャンス、を持っておく、というのは、
セルフパブリッシングでは、すんごく大切なことです。
]]>新着ランキングでは、kindle>コミック>青年コミックで、1位、2位のワンツーフィニッシュ。ベストセラーランキングでも、1巻3位、2巻5位とおかげさまで好調です。1巻なんて、紙本もあわせた総合ランキングでも、うきゃー、うっかり64位です。(2013年3月15日現在)
もう7年も前の本なのに、ありがたいやら、お恥ずかしいやら。
今回のKindle版は、通常の
著者→出版社→(電書取次→)電子書店[Amazon]
というルートではなく、
著者→電子書店[Amazon]
という直販ルートを使っています。
これは、KindleDirectPublishing、通称KDPと呼ばれる方法です。
もしかしたら、昔、こんなことをやったのを覚えている方もいるかも。
そう、あのトライアルの2013年版が、今回の『東京トイボックス』kindle版です。
KDPの特徴は、高い印税率。
通常、電子書籍の著者印税は、15%が一般的。
でもKDPなら、標準で35%。
さらにいくつかの条件をクリアすると、70%になります。
しかしKDPの魅力はそれだけじゃありません。
それは、数字を把握できること。
価格を決めたり、何冊売れたのか、ほぼリアルタイムで、把握できたりします。
するとどうなるか。
もちろん売れた売れない、で一喜一憂するのも楽しいんだけれど、
もうちょっと分析っぽいこともできるんです。
例えば、継続購読率。
1巻を読んだ人のうち、どれくらいの人が2巻も読んでくれたのか。
これは
2巻部数÷1巻部数
ででます。
(もちろん2巻だけ購入した人というのも、可能性としては考えられるけど、まあ誤差の範囲でしょう)
よく1巻だけ100円セールとかみかけますが、あれって、ともすると1巻だけ買って、満足しちゃいません?(みそさんの『限界集落(ギリギリ)温泉』は全部買ったよ!)
一説によると2巻以降への継続購入率は、よくて1〜20%台。
ひどいと一桁なんて話も聞きます。
『東京トイボックスkindle版』も発売直後は、20%ちょっとでした。
それがジリジリとあがって、いまでは63%を超えたところ。もうちょっとはあがりそうな勢いです。
この動きは、内容紹介の冒頭に「全2巻」と、書いた直後から顕著になりました。
全2巻、という買いやすさのアピールが功を奏したと自分では分析してます。
こういった工夫が手軽にできるのが、KDPのいちばんのおもしろさだと思います。
(なんにせよ著者としては、最後まで読んでいただけることは、何よりうれしいです)
こんな感じで、しばらくのあいだ、KDPトライアル関連の情報をまめに書いていこうかと思っています。よろしくお願いします。
日常系少年少女冒険漫画『南国トムソーヤ①』いよいよ新潮社より発売です。
最果ての島・羽照那島。母の残した言葉をたよりに、 東京から転校してきた少年・狩野千晴は、なれない島で生活を始める。 マンタの群れ、ヤギの解体、台風、伝統の秘祭、そして島の創世神話...。 チハルは島の少年リンドウたちとともに、ゆるやかに、大きな運命の輪へと巻き込まれていく―――――。
※羽照那島遠景
沖縄の離島が好きで、始めて石垣島に行ってから、かれこれ20年近く経ちます。
今でもかならず年に1、2回は、あちこちの島に。
以前にも離島を舞台にした『南国スパイラル』(原題:カミサマの地図)という
読切も描いたことあるしで、実は、馴染み深い世界観だったりします。
とはいえ、トイボからすると、イメージずいぶん違うよね(笑)
そこで、よく聞かれる質問をいくつか。
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Q.羽照那島って実際にあるの?
沖縄県八重山諸島のいくつかの島をモデルにした架空の島です。
とはいえ、背景は、現地で撮ってきた写真をベースに起こしているので、行ったことある人は、より楽しめると思います。これから行く人は、1冊持っていくとさらに旅を楽しめること請け合い。
twitterで聞いてくれたら、モデルの場所とか、おいしいごはん屋さんとか教えるよー。
Q.南の島が舞台ってことは、ゆるふわ癒し系漫画?
エコとかロハスとかスローライフとか、昼下がりのJ-WAVE方面な話はいっさい出てきません。や、企画段階では、そういうのいいよねー、とか言ってたんだけど、まあ、人間向き不向きがあるんだなあ、と。
Q.沖縄行ったことないけど、読んでおもしろい?
うーん、宇宙に行ったことないけど、SFがおもしろいのと同じようには、楽しんでもらえるはず。
むしろここから入って、実際に足を運んでみてくれるとうれしいです。
「青い空、白い砂浜な常夏のリゾードアイランド」なイメージじゃない南国の魅力をぜひ。
や、冬とかちゃんと寒いんだよ。
Q.『南国スパイラル』の続編?
同じ島が舞台だけど、続編じゃないです。もちろん読んでなくても大丈夫。いまのところスパイラルのキャラクタも登場してません(もちろん今後登場する可能性はあるかもですが)
なんにせよ、Jコミで無料で読めるので、ぜひー。
(株)Jコミの中の人
うめ先生の読み切り、『南国スパイラル』(34p)を公開しました (未単行本化作品)
Q.ヤギっておいしいの?
断言しよう!
お い し い ♡
特に捌きたては絶品です。
沖縄はもちろん、内地の沖縄料理屋さんでも出しているところはあります。
一度食べてもらうのがいちばんなんだけど、疑似体験したい人は、南国トムソーヤをぜひ。
Q.なんでトムソーヤ?
……好きだから?(とくにアニメ版のOPが)
まあまあ、仕掛けはおいおい、と。
ちなみにチハルとリンドウの服は、トムとハックの服の色をイメージしています(もちろんアニメ版の)
Q.ゲームのトムソーヤ知ってる?
スクウェアのほう? セタのほう?
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7/9より、全国のリアルおよびネット書店で購入可能です。
よろしくお願いします。
仙水は、圧倒的に女子人気。とはいえ、花子に敗北。読者男女比の差はあるとはいえ、落ち目か、仙水w
意外だったのは、サキ! ええーっ、1人くらいはいるかもとは思ってたけど、7巻表紙の2人を押さえるとは思ってませんでした。もの好きだな、みんな!
あと差し入れありがとうございました。
大切にいただきます!